国内・海外の主要9取引所を比較
この記事では、2026年時点で日本居住者が選択肢に挙げる代表的な暗号資産取引所として、国内の金融庁登録事業者8社(GMOコイン、bitFlyer、SBI VCトレード、bitbank、BitTrade、Coincheck、BITPOINT、Zaif)と、海外の代表的取引所のひとつ Bybit を取り上げ、用途別の比較ガイドとしてまとめます。手数料・取扱銘柄・レバレッジ対応・セキュリティ・運営事業者など、選定の判断材料になる情報を一覧で整理し、シーン別のおすすめと、海外取引所を使う場合のリスク注記も盛り込みました。
暗号資産取引所は「1 社で全部完結」よりも「用途別に 2〜3 社を併用」する運用が現実的です。本記事の比較表とシーン別おすすめを参考に、自分の運用スタイルに合うメイン口座とサブ口座の組み合わせを設計してください。
比較サマリー表
以下は本記事執筆時点の各取引所の主要スペックを横断比較した一覧です。最新の数値・条件は必ず各社公式サイトでご確認ください。
| 取引所 | 種別 | 取扱銘柄数 | 取引所手数料 | 出金手数料 | レバレッジ | 主な特徴 | |---|---|---|---|---|---|---| | GMOコイン | 国内 | 約26 | Maker -0.01% / Taker 0.05% | 無料 | 最大2倍 | 入出金・送金が無料/総合バランス型 | | bitFlyer | 国内 | 約22 | 0.01〜0.15%(Lightning) | 220〜770円 | 最大2倍 | Lightning の板が厚い/長期運用実績 | | SBI VCトレード | 国内 | 約23 | Maker -0.01% / Taker 0.05% | 無料 | 非対応 | SBIグループ運営の信頼性/手数料無料 | | bitbank | 国内 | 約38 | Maker -0.02% / Taker 0.12% | 550〜770円 | 非対応 | 全銘柄板取引/スマホアプリのチャート | | BitTrade | 国内 | 約40 | Maker 0.00% / Taker 0.10% | 330円〜 | 最大2倍 | 取扱銘柄数が国内最多級/Maker無料 | | Coincheck | 国内 | 約30 | 取引所無料 | 407円 | 非対応 | アプリのUIが国内トップ/NFT・IEO | | BITPOINT | 国内 | 約23 | 無料 | 無料 | 非対応 | 主要手数料が全部無料/独自上場銘柄 | | Zaif | 国内 | 約28 | Maker -0.01% / Taker 0.10% | 385〜756円 | 信用取引 | MONA・XEM・XYMなど独自路線 | | Bybit | 海外 | 数百 | Maker 0.10% / Taker 0.10%(現物) | 銘柄ごと | 最大100倍(デリバティブ) | 流動性・銘柄数は世界トップクラス/金融庁未登録 |
上の表は本記事執筆時点の概要であり、各社の手数料体系・取扱銘柄・キャンペーン条件は随時改定されます。実際の運用前には、必ず各社公式サイトで最新条件を確認してください。
シーン別おすすめ
初めて買うなら
暗号資産を初めて買う場合、最重要なのは「アプリの分かりやすさ」と「最初の少額取引でのストレスのなさ」です。アプリの完成度では Coincheck(500円から購入可・ダウンロード数上位)、総合バランスなら GMOコイン(手数料無料の安心感)、信頼性なら SBI VCトレード(SBIグループ運営)が候補になります。最初は 1 社だけで口座を開設し、500〜1,000円の少額で買って売って、入金・出金の動作確認を一通り済ませてから本格運用に入るのが安全です。
低コストで積み立てたいなら
長期で淡々と積み立てるなら、自動買い付け機能の有無と手数料の総合コストが選定基準になります。GMOコイン(自動積立/手数料無料)、SBI VCトレード(積立/手数料無料)、Coincheck(Coincheckつみたて)、Zaif(業界先駆けのコイン積立/毎月1,000円から)が代表的な選択肢です。タイミング投資による感情的な売買を避け、機械的にドルコスト平均法を続けたい層には自動積立の活用が現実的です。
板取引でコストを抑えたいなら
板取引(取引所形式)でコストを抑える運用なら、以下の3社が代表的な候補です。
- bitbank: 全銘柄で板取引が可能。Maker -0.02% / Taker 0.12% で、メジャー通貨の板も厚い。
- BitTrade: Maker 0.00% / Taker 0.10% で、Maker は完全無料。指値中心の運用と相性が良い。
- Coincheck: 取引所形式の現物取引手数料が無料(対応銘柄に限る)。
指値で板に並べて待つ運用と組み合わせると、トータルの取引コストを大きく抑えられます。短期売買・スキャルピング寄りなら板の厚さで bitbank、長期積立寄りなら Maker 無料の BitTrade、対応銘柄が合えば手数料無料の Coincheck、と用途で使い分ける運用も現実的です。
独自銘柄が欲しいなら
テーマや思想に共感した独自銘柄を国内事業者で取得したい場合、以下が候補になります。
- BITPOINT: DEP(DEAPcoin)、JMY(ジャスミーコイン)、TSUGT、GXE など、国内では BITPOINT 独占の銘柄群。
- Zaif: MONA(モナコイン)、XEM、XYM(シンボル)、ZAIF、CMS:ETH/CMS:XEM など、日本のクリプトコミュニティで歴史のある銘柄。
- bitbank / BitTrade: 取扱銘柄数が多く、新規上場のトレンド銘柄を国内で押さえやすい。
独自銘柄目当てで使う場合は、国内大手をメイン口座にしつつ、これらの取引所を「独自銘柄担当のサブ口座」として組み合わせる運用が現実的です。
レバレッジを使いたいなら
国内取引所のレバレッジは最大2倍が上限で、GMOコイン・bitFlyer(Lightning FX)・BitTrade などが対応しています。日本の規制下でレバレッジを使うなら、これらの国内取引所を選ぶのが第一選択です。高倍率レバレッジを使いたい場合は海外取引所(Bybit など)の選択肢になりますが、金融庁未登録・税務処理・地域制限などのリスクを受け入れる前提が必要です(次節「海外取引所を検討するなら」を参照)。
レバレッジ取引は「想定損失額から逆算したポジションサイズ」「ストップ注文の事前設定」「証拠金維持率の常時監視」がセットになっていない限り、長期的に資産を残しにくい商品です。スキルの習熟度に応じて段階的にサイズを増やす運用を強く推奨します。
海外取引所を検討するなら(規制注記)
海外取引所は流動性・銘柄数・レバレッジ倍率で国内取引所を圧倒しますが、日本の金融庁登録外であり、利用は自己責任です。次のリスクを必ず理解した上で利用してください。
- 金融庁登録なし: 日本の規制保護外。トラブル発生時の救済が極めて限定的。
- 税務処理が自己責任: 雑所得として総合課税の対象。海外取引所は日本の税務当局向け自動連携がないため、取引履歴の保存・整理は完全にユーザー責任。
- 地域制限の不確実性: 日本居住者向けサービスの内容が時期によって変更される可能性あり。突然の出金停止・口座凍結のリスク。
- 過去のセキュリティ事案: 海外取引所共通のリスクとして、ハッキング・出金トラブルの過去事例が報じられている事業者もある。
基本は国内取引所をメインに、Bybit などの海外取引所はサブ口座として「特定銘柄を取得する」「短期のデリバティブ運用に使う」など用途を限定し、全資産を集中させない運用が安全です。
国内取引所8社の概要
国内主要8社を 1 社ずつ短くまとめます。詳細は各取引所の個別レビュー記事を参照してください。
GMOコイン
東証プライム上場のGMOインターネットグループ傘下の暗号資産交換業者。販売所・取引所・レバレッジ・積立・ステーキング・貸暗号資産を1口座で利用でき、入出金・送金手数料がすべて無料。取扱銘柄数は国内トップクラスの約26銘柄。総合バランス型として最初の選択肢に挙がりやすい構成です。詳細は GMOコインレビュー(/reviews/exchanges/gmocoin-review-2026)を参照。
bitFlyer
国内最古参クラスの取引所で、金融庁登録の暗号資産交換業者として運営されている。販売所・取引所・bitFlyer Lightning(板取引・FX・先物)の3レイヤ構成で、Lightning の板の厚さは国内屈指。取扱銘柄数は約22で、長期運用実績の長さが魅力。詳細は bitFlyer レビュー(/reviews/exchanges/bitflyer-review-2026)を参照。
SBI VCトレード
SBIホールディングス傘下の暗号資産交換業者。入出金・送金手数料が全て無料、取引所形式は Maker -0.01% / Taker 0.05% でシンプルなコスト設計。レバレッジは非対応だが、現物・ステーキング・レンディング・積立を1口座で運用できる。住信SBIネット銀行との親和性が高い。詳細は SBI VCトレードレビュー(/reviews/exchanges/sbivc-review-2026)を参照。
bitbank
ビットバンク株式会社が運営する金融庁登録の暗号資産交換業者。最大の特徴は「全取扱銘柄で板取引が可能」な点で、約38銘柄に対応。取引所形式は Maker -0.02% / Taker 0.12% で、Maker はリベート。スマホアプリのチャート機能は国内屈指。レバレッジ非対応。詳細は bitbank レビュー(/reviews/exchanges/bitbank-review-2026)を参照。
BitTrade
株式会社ビットトレードが運営。前身は Huobi Japan で、母体は世界的な海外取引所 Huobi Global。取扱銘柄数は約40銘柄で国内最多級。取引所形式は Maker 0.00% / Taker 0.10% で、Maker は完全無料。最大2倍のレバレッジ取引にも対応。詳細は BitTrade レビュー(/reviews/exchanges/bittrade-review-2026)を参照。
Coincheck
マネックスグループ傘下の暗号資産交換業者。スマホアプリのダウンロード数とUIは国内トップクラスで、初心者の入口として選ばれることが多い。Coincheckつみたて、Coincheck NFT、IEO といった派生サービスが豊富。取引所形式の現物取引手数料は無料(対応銘柄に限る)。レバレッジ非対応。詳細は Coincheck レビュー(/reviews/exchanges/coincheck-review-2026)を参照。
BITPOINT
株式会社ビットポイントジャパンが運営。日本円の入出金、暗号資産の送金、取引所・販売所の取引手数料がすべて無料という、国内では珍しい料金体系。DEP・JMY・TSUGT・GXE など独自上場銘柄を扱う点が他社との明確な差別化要素。500円から取引可能。詳細は BITPOINT レビュー(/reviews/exchanges/bitpoint-review-2026)を参照。
Zaif
株式会社カイカエクスチェンジが運営する金融庁登録の暗号資産交換業者。MONA(モナコイン)、XEM(ネム)、XYM(シンボル)、ZAIF、CMS:ETH/CMS:XEM など、独自路線の銘柄群を取り扱う点が最大の特徴。コイン積立は業界でも早期から整備され、毎月1,000円から自動買い付け可能。信用取引にも対応。過去のセキュリティ事故を経て体制刷新済。詳細は Zaif レビュー(/reviews/exchanges/zaif-review-2026)を参照。
海外取引所のリスクと注意点
本記事では海外取引所の代表として Bybit を取り上げていますが、海外取引所全般に共通するリスクを以下にまとめます。国内取引所と海外取引所では、規制保護のレベルが根本的に異なります。
1. 金融庁登録の有無と規制保護
海外取引所は日本の金融庁登録を保有していないケースが大半です。日本国内で正式に営業許可を持つ事業者ではないため、利用は自己責任となり、トラブル発生時の規制当局・消費者保護制度経由の救済は極めて限定的です。事業者側のサポートも英語ベースが基本で、日本語対応の有無・質は事業者によって差があります。
2. 税務処理は完全に自己責任
日本居住者は、海外取引所での取引・損益についても日本の税務上の申告義務があります。暗号資産は雑所得として総合課税の対象で、給与所得などとの合算で累進課税が適用されます。海外取引所は日本の税務当局向けの自動連携を行っていないため、取引履歴の保存・整理・申告は完全にユーザー自身の責任です。運用規模が大きくなるほど税理士・税務ソフトの活用が現実的になります。
3. 地域制限の不確実性
海外取引所では、規制環境の変化に応じて日本居住者向けのサービス内容が変更される可能性があります。新規登録の停止、既存ユーザーの KYC 再審査、特定のデリバティブ商品の制限、突然の出金停止など、過去には複数の海外取引所でこうした事案が発生しています。メイン口座として全資産を集中させない運用がリスク管理の前提になります。
4. 高倍率レバレッジのリスク
海外取引所のデリバティブでは最大数十倍〜100倍のレバレッジが利用可能ですが、日本の規制(最大2倍)と大きく乖離した水準です。少しの相場変動で口座残高がゼロになるリスクが現実的にあり、ロスカット・追証ルールも事業者ごとに独自設計です。利用する場合は、想定損失額から逆算したポジションサイズに収め、ストップ注文・損切りラインを機械的に守る運用が必須です。
5. セキュリティ・運営リスク
海外取引所共通のリスクとして、ハッキング、出金停止、口座凍結、KYC 再審査などが発生する可能性があります。事業者側のセキュリティ対策に加え、ユーザー側でも 2FA、ホワイトリスト、専用端末、定期的な外部ウォレットへの出庫など、国内取引所以上にセキュリティを意識した運用が求められます。
取引所選びのチェックリスト
実際に取引所を選ぶ際の判断材料として、以下のチェックリストを使ってください。複数の取引所を比較する場合、各項目について同じ基準で点数化していくと、自分の運用に合う 1 〜 3 社を選びやすくなります。
- 金融庁登録の有無: 日本居住者として規制保護を受けられるか
- 取扱銘柄: 自分が買いたい銘柄が扱われているか(メジャー通貨/アルトコイン/独自銘柄)
- 取引所形式の対応銘柄: 板取引(コストの安い形式)でその銘柄を売買できるか
- 取引手数料: Maker / Taker / 販売所スプレッドのうち、自分の運用スタイルに効くコストはいくらか
- 入出金手数料: 日本円・暗号資産双方の入金・出金にかかる固定費
- レバレッジ対応: 最大倍率と追証・ロスカットルール
- 積立・ステーキング・レンディング: 自動運用や保有収益の仕組みがあるか
- アプリ・取引ツール: スマホアプリと PC ブラウザ版の使いやすさ、テクニカル分析機能
- セキュリティ: 二段階認証、ホワイトリスト、コールドウォレット保管などの対応状況
- キャンペーン条件: 新規口座開設、入金、取引量に応じた特典の対象期間・条件
よくある質問(FAQ)
初心者におすすめの取引所はどれですか?
アプリの分かりやすさを最優先するなら Coincheck、手数料無料の総合バランスなら GMOコイン、信頼性なら SBI VCトレード や bitFlyer が選択肢の中心です。最初は 1 社で口座を開設して 500〜1,000円の少額で動作確認し、慣れたら 2 社目を組み合わせるのが現実的です。
板取引でコストを抑えたいならどの取引所が向いていますか?
全銘柄で板取引が可能な bitbank、Maker 0.00% の BitTrade、現物取引手数料無料の Coincheck(対応銘柄に限る)が候補です。指値中心の運用と組み合わせると、長期的なトータルコストを大きく抑えられます。
独自銘柄が欲しい場合はどこがおすすめですか?
DEP・JMY・TSUGT などは BITPOINT、MONA・XEM・XYM・ZAIF トークンは Zaif で扱われています。テーマや思想に共感する銘柄をピンポイントで取得したい場合、これらの取引所をサブ口座として組み込む運用が現実的です。
レバレッジ取引をしたい場合は?
国内ではレバレッジ最大2倍が上限で、GMOコイン・bitFlyer・BitTrade などが対応しています。高倍率レバレッジを使いたい場合は海外取引所(Bybit など)の選択肢になりますが、金融庁未登録・税務処理・地域制限などのリスクを受け入れる前提が必要です。利用する場合は想定損失額から逆算したポジションサイズに収め、ストップ注文・損切りラインを機械的に守る運用が必須です。
海外取引所を使うべきですか?
海外取引所は流動性・銘柄数・レバレッジ倍率で優位ですが、日本の金融庁登録外・税務処理は自己責任・突然の地域制限などのリスクが常にあります。基本は国内取引所をメインに、必要な場面のみ海外取引所をサブ口座として併用する運用が現実的です。「全資産を 1 か所に集中させない」「定期的に外部ウォレットへ出庫する」「複数取引所に分散する」がリスク管理の基本です。
複数の取引所を使い分ける必要はありますか?
用途や銘柄に応じて 2〜3 社を併用する運用が現実的です。例えば「メイン口座は国内大手(信頼性重視)」「板取引用に bitbank または BitTrade」「独自銘柄用に BITPOINT や Zaif」といった役割分担で、コスト・銘柄・リスクを分散できます。1 社にすべてを集中させると、その事業者特有のリスク(メンテナンス、地域制限、上場廃止など)の影響を直接受けやすくなります。
取引所を変えるときの手順は?
別の取引所に資金を移したい場合は、まず移行先の取引所で口座を開設し、KYC(本人確認)と 2FA の有効化を済ませます。その後、暗号資産の送金で移すか、一度日本円に戻して銀行経由で移すか選びます。送金前には必ず少額のテスト送金を行い、ネットワーク種別の取り違いを防ぎます。税務処理も発生するため、移転前後の取引履歴は必ず保存しておきましょう。
口座開設に手数料はかかりますか?
本記事で扱った国内 8 社・海外 1 社いずれも、口座開設そのものに手数料はかかりません(本記事執筆時点)。ただし、利用開始後の入金・取引・出金には各社の手数料体系が適用されます。詳細は各取引所の個別レビュー記事と公式サイトで確認してください。
